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2016年11月27日(日)13:00-16:30 広島県健康福祉センターにて高次脳機能障害研修会が開催されました。一般社団法人日本損害保険協会の助成を受けて毎年開催される研修会、今年は「高次脳機能障害からの立ち直りをめざして」をテーマに、上田敏さん(日本障害者リハビリテーション協会顧問、小金井高次脳機能障害友の会 いちごえ会顧問)、野々垣睦美さん(クラブハウスすてっぷなな統括所長)のおふたりをお招きしました。医療、福祉関係者、当事者や家族など、約150人が耳を傾けました。

患者・障害者のリハビリテーションとは、疾患・障害のために人間らしく生きることが困難になった人の「人間らしく生きる権利の回復」すなわち「全人間的復権」である。この、上田さんのリハビリテーションの考え方は、リハビリに携わる療法士や医師が、養成課程で必ず学ぶ有名な考え方です。生活・人生のあらゆる面についての全面的な権利回復のために、医学だけで完結するのでなく、教育、職業、福祉、介護などの専門家と地域社会が本人・家族を中心に行う「総合リハビリテーション」であるべきだ、という考え方は、本人や家族が主体的に自分自身のために専門家に意見や要望を伝え、一緒にやっていくべきだ、と言い換えることができると思いました。また、「プラスの面をみつけ、活用し、増やし」社会に「参加」する機会をつくることで、良くなっていく「上からよくする」という視点も紹介してくださいました。

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野々垣さんは、写真やVTRで生活自立アシスタント事業についてお話をしてくださいました。ケーキを8等分するのに、十字に切ったあと上下に分けたという話、スイカを一切れなら食べていいよと言ったDr.の助言をもらったが本人の思う一切れは小玉スイカ半分だった(たしかに一切れだけれども)の話・・・地域生活においては、生活の中で起きることをよく観察し、なぜそういうことが起きたのだろう、どうしたらできるようになるかな、と考える視点を紹介してくださいました。患者さんは医師やリハスタッフの話はよく聞くので、地域の福祉サービスを使うと集団の中で過ごすことになり病院よりも複雑なリハビリになるよ、ぜひ行ってごらん、と 医療の方から患者さんの背中を押して、地域のサービスにつないでほしいというお話は、以前に病院で働いていた野々垣さんだからこそ聞けたお話しだったと思います。この日たくさん会場においでいただいていた医療機関のみなさんに伝わったと信じたいです。